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メインテートやテノーミン等のβ遮断薬

高血圧は血液から血管に向けてかかる圧力が正常値よりも高くなった状態のことをいいます。
具体的には、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上の状態を高血圧といいます。
高血圧が長年持続すると脳血管疾患や心疾患など様々な致命的な疾患を誘発してしまうので、薬によって血圧を下げて、その状態にコントロールする治療が行われます。

高血圧治療薬の中には交感神経遮断薬という種類のものがあります。
これは自律神経系の一つである交感神経の働きを抑制することによって血圧を下げる薬です。
交感神経遮断薬はさらにβ遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬に分類することができ、それぞれに特徴、違いがあります。

β遮断薬は主に心臓に作用します。
心臓の働きはβ1受容体という受容体が存在しており、このβ1受容体が遮断されることによって、心臓の機能は抑制されます。
心臓の機能が抑制されると、心臓から全身に送られる血液の量が減少し、血圧を下げる効果が得られます。
代表的な薬剤にはメインテートやテノーミンが挙げられます。

ちなみにメインテートやテノーミンはβ1受容体に比較的選択的に作用する薬です。
α遮断薬は主に末梢の血管に作用する薬です。
末梢血管にはα1受容体という受容体が存在しており、このα1受容体が遮断されると、血管平滑筋が弛緩します。
血管平滑筋は血管を取り巻く筋肉で、この筋肉が伸び縮みすることで血管の内腔の広さが調節されています。
α1受容体が遮断されると、血管平滑筋が弛緩し、血管の内腔は広くなります。
これによって血管の内壁にかかる圧力は低下し、血圧が下がります。
α遮断薬の代表例にはミニプレスという薬が挙げられます。
αβ遮断薬はα受容体とβ受容体の両方を遮断する薬のことを指します。
これによって心臓からの血液の拍出量は減少し、末梢血管が拡張します。
これら2つの作用が相乗効果を生み出し、血圧を下げるのです。
αβ遮断薬の代表例にはアーチストやアロチノロールが挙げられます。

β遮断薬の副作用は血圧低下、心不全の悪化の可能性も

β遮断薬は血圧を下げる薬であるため、過度に血圧低下が起こる可能性があります。
これによって低血圧になってしまうとめまいなどの副作用が起こることがあります。
そのため、β遮断薬の使用中には車の運転や高所での作業といった危険な作業に注意する必要があります。

また、β遮断薬は心臓の機能を低下させるため、元々心臓の機能が低下している心不全の状態が悪化する恐れがあります。
特にワソランやヘルベッサーなどのカルシウム拮抗薬と併用時には心不全が起こりやすくなるので注意が必要です。
ただ、β遮断薬の中でも心不全の起こりやすさに違いがあります。
ISA(内因性交感神経刺激作用)を持つβ遮断薬では過度の心機能低下が起こりにくいため、心不全は起こりにくくできています。
これは特に高齢の方に適した薬と言えます。

また、β遮断薬はその作用によって糖代謝に異常を引き起こします。
これはβ受容体の刺激が血糖値をコントロールするインスリンの分泌を調節しているためです。
よって、糖尿病の方で薬を用いて血糖値をコントロールしている方はβ遮断薬の併用で血糖コントロールがうまくいかなくなる恐れがあります。
こういった理由からβ遮断薬は糖尿病の方には適さない薬です。

また、ミニプレスなどα遮断薬の副作用の代表例として起立性低血圧が挙げられます。
これは文字通り、起立をする時に低血圧に伴うめまいが起こります。
β遮断薬と比較して低血圧とそれに伴うめまいが比較的起こりやすいと言えます。
αβ遮断薬はα遮断薬とβ遮断薬の中間的な位置づけの薬で、副作用についてもα遮断薬とβ遮断薬の両方の副作用が起こることがあります。
ただ、α遮断作用に基づくめまいや立ちくらみはα遮断薬よりも起こりにくくなっています。